結婚式や式典で着物を着て出席する機会もあるでしょう。その際に悩むのが、着付け代の支払い方法と封筒マナーです。どの封筒を使い、表書きには何と書けばいいのか、適切な金額はいくらなのか、不安に思う人も少なくありません。
この記事では「着付け代 封筒」というキーワードに着目し、2025年の最新情報をもとに正しい包み方や書き方、相場、支払いタイミングなどのポイントをわかりやすく解説します。
着物を着る方も仕切る方も、参考になる情報をしっかりと押さえておきましょう。
目次
着付け代を包む封筒の選び方とマナー
式典で着付けをお願いする場合、着付け代はお祝いごとと同様の扱いとなります。そのため、紅白ののしや水引がついた祝儀袋を使うのが基本マナーです。ホテルや式場の美容スタッフに支払う場合も、現金を白無地の封筒に入れて御礼や謝礼と表書きする方法が一般的です。
封筒は厚手で中身が透けないものを選び、裏面には自分の名前を書きましょう。薄い封筒や茶封筒は儀礼用に適さないので、避けるのが無難です。
封筒の種類と選び方
着付け代を包む封筒としては、一般的にお祝い事用のご祝儀袋や水引つき封筒が選ばれます。文房具店や百貨店で売られている祝儀袋の中袋を使うのが手軽で丁寧です。または白無地の封筒でも代用できますが、その場合は中身が透けない厚手で郵便番号欄のないものを選びましょう。
格式を重視する場では、紅白の水引がついた金封(のし袋)を使用するのが最もフォーマルです。
表書きの書き方
封筒の表書きには御礼や謝礼などの言葉が使われることがあります。着付けのお礼として渡す場合は御礼や謝礼と書けば問題ありません。表書きは封筒の上部中央にバランス良く記載します。
毛筆や筆ペンで、丁寧な楷書体で書くのが正式です。墨の飛び散りやインクのにじみに注意し、誤字脱字のないよう落ち着いて書きましょう。
お札の向きと新札の準備
お札は必ず全て同じ向きに揃え、肖像画が見える面を上にして封筒に入れます。封筒を開けたときに肖像が最初に目に入るよう並べるのが礼儀とされています。古い折り目のついた札は避け、可能なら新札を用意します。
慶事には新札を使うのがマナーで、どうしても用意できない場合は事前に銀行で交換するか、人に見られないよう端に折り目をつけて一度使った形にしておきましょう。
名前の記入と一言メッセージ
封筒の裏面には自分の氏名を書いておくのがおすすめです。他の封筒と混ざることを防げるうえ、お礼を伝えやすくなります。なるべくフルネームで丁寧に書きましょう。
また一言メッセージを添えるのもマナーです。着付けのお手配ありがとうございましたなど、感謝の気持ちを込めた言葉を添えると、相手に好印象を与えます。
着付け代の相場と予算の考え方
着付け代の相場は、衣装の格や会場によって幅がありますが、一般的には1万円前後が目安とされています。たとえば一般的な留袖の着付けであれば6千~9千円程度、ヘアセットが4千~6千円程度と考えられます。豪華な振袖や舞妓さんのような特別な着付けはこれより高額になるケースがあります。
ホテルの美容室の場合、親族割引が適用されることもあり、通常より割安になることがあります。一方、外部の美容師に依頼したり、花嫁衣裳の支度を伴う場合は、相場を超えることもある点に留意しましょう。
一般的な相場
一般的には、留袖や訪問着程度の着付けであれば着付けだけで1万円前後、ヘアセットを含めて2万円前後となることが多いです。美容師に支払う料金は地域差やニーズによって変わりますが、概ねこの範囲を考えておけば安心です。
感謝の気持ちを示す意味でも、実費より少し多めに包んでおくと、相手に失礼になりません。
衣装・会場による変動
着物や衣装の格が高いほど着付け料金は高くなる傾向があります。例えば振袖の着付けは留袖より手間がかかるため料金が高くなります。また、会場によって提携している美容師や割引制度が異なり、同じ着付けでも式場や美容室によって料金が異なります。
一般的に都市部のホテルや格式の高い式場では料金が高めに設定されることが多く、地方の会場や小規模なところでは比較的リーズナブルに済む傾向があります。
負担の分担と準備
着付け代を誰が負担するかは、家族の慣習や式の形式によります。親族の中で誰が準備するかは事前に相談しておくのが理想です。披露宴一括精算の場合は、後で割り勘にしても良いでしょう。必要以上に負担しないために、いくら包むかをあらかじめ決めておくと安心です。
兄弟姉妹や親族で複数人が着付けを頼むときは、均等に費用を分担する方法もあります。たとえば兄弟で衣装を着るときは、着付け代相当額を複数で分け合うケースもあります。
着付け代を支払うタイミングと渡す相手
着付け代の支払いタイミングは、着付けの手配方法次第で変わります。美容室や式場で直接依頼した場合は、当日にサービスが完了した際に支払いを済ませるのが基本です。一括精算の場合は、披露宴後に式場にまとめて支払うこともあります。
親族として着付けを依頼した場合、事前に誰が支払うか相談しておくと安心です。不明点があれば式場や当事者に確認し、必要な金額を事前に用意しておきましょう。
結婚式当日に自分で支払う場合
自分で美容室を手配して着付けを受ける場合は、着付け・ヘアセットが終わった後にその場で支払うのが一般적인です。ホテルや式場内の美容室であれば、披露宴後に会計にまとめて支払うケースもあります。
当日に直接渡す場合は、受付への支払いではなく美容師に直接手渡しします。その際、現金を封筒に入れておくと丁寧な印象になります。
親族として参列する場合
親族で着付けをお願いする側の場合、式場や新郎新婦側が事前に着付け代を負担していることも多いです。それでもお礼の意味を込めてご祝儀に着付け代相当分を包むことがあります。母親や親族にそっと渡す場合には、控えめに「お礼です」と言い添えると失礼がありません。
義理の親戚など相手との関係性によっては、事前に相談しておけば当日の手間が減らせます。渡す相手やタイミングをあらかじめ決めておくと安心です。
式場への確認と事前準備
事前の確認も大切です。打ち合わせの際に着付け代の支払い方法を式場に尋ねておけば、「当日個別に支払う必要があるか」「料金に含まれているか」がわかり、混乱を避けられます。もし個別に渡すなら、当日の受け渡し方法をあらかじめ考えておきましょう。
準備のためには、清算額に合わせて封筒に現金を包んでおくと安心です。何も伝えずに大量のお金を持参するより、前もって相談し、必要な額を決めて準備することでスムーズに進められます。
着付け代を渡す際のお礼の言葉と注意点
着付け代を渡すときは、封筒を差し出すのと同時にお礼を伝えるのがマナーです。その際は「着付けのお手配、ありがとうございました」など具体的な言葉を添えると丁寧です。一礼しながら渡すと、より礼儀正しい印象を与えられます。
以下では、感謝の例文とともに、NG行動も含めて着付け代を渡すときのポイントを紹介します。
感謝の気持ちを伝える文例
たとえば封筒を渡すときには、着付けのお手配をいただきありがとうございましたと一言かけましょう。着付け代相当額を包む場合は、料金が不足している可能性を示してお礼を伝える表現をするのも丁寧です。たとえば、「お支度ありがとうございます。差額がありましたらお知らせください」などと添えると丁寧です。
渡す際の表書きに御礼や謝礼と書いておくと、心づかいが伝わりやすくなります。金額よりも感謝の気持ちを素直に示すことが最も大切です。
マナー違反を避けるポイント
お札を包むときは急いで差し出したり、小銭を混ぜて渡したりしないよう注意しましょう。また、席上で封筒を開けて中身を確認する必要はありません。結婚式の場では、外でお金を封筒に入れ替えるのは好ましくないとされています。
さらに、渡す場面で露骨にお札を数えるような行為は避けましょう。お金を渡す際は大人の所作で落ち着いて行動することが礼儀です。
注意すべきポイント
最大の注意点は二重払いです。式場請求に着付けが含まれている場合は改めて現金を渡す必要はありません。そのため、打ち合わせ時に内訳を確認することが重要です。また、新札が用意できないときは事前に銀行で交換し、清潔感のあるお札を用意しておきましょう。
どうしても不安なときは相手に事前に確認してみるのも方法です。小さなトラブルを避けるために、念入りな準備を心がけましょう。
まとめ
- 封筒は紅白の水引つき祝儀袋や厚手の白封筒を選ぶ
- 表書きは御礼や謝礼など丁寧な言葉で記入する
- お札は新札で揃え、肖像画を上にして封筒に入れる
- 相場は1万円前後を目安に。式場や衣装で増減することを念頭に
- 渡す際は必ず感謝の言葉を添え、礼儀正しさを忘れない
以上のポイントを押さえておけば、着付け代をスマートに渡すことができます。マナーを守って礼儀正しく振る舞えば、相手にも良い印象を与えられるでしょう。