着物を買い取ってもらったあとは、着物代金の受け取りや売却後の手続き、買取した着物の行方など気になる点が多くあります。
本記事では、契約成立から代金受取までの具体的な流れや支払いタイミング、売却した着物が次にどう利用されるのかを解説します。
さらに、安心して着物を売るために役立つポイントやクーリングオフ制度についても紹介しますので、着物買取後の不安を解消したい方はぜひ参考にしてください。
目次
着物買取、その後の流れとは?
着物買取契約が成立した後は、売却者と業者の間で正式に契約が締結され、次の段階へと進みます。
店頭や出張査定ではその場で契約書にサインし、納得した金額分の現金受け取りや口座振込の手続きが行われます。
宅配買取の場合は、契約成立後に業者から届く宅配キットで着物を梱包・発送します。
発送された着物は業者が受け取り後、専門の査定士によって検品・査定され、正式な買取金額が確定します。
店頭買取や出張買取の場合、契約成立のその場で着物を引き渡し、売却者はそのまま買取金を受取りできます。
宅配買取では、着物の到着から査定完了まで通常数日~1週間程度かかります。
送付から査定結果連絡、振込完了までは繁忙期などを除きおおむね10日以内が目安ですが、時期によってはさらに時間がかかることがあります。
契約成立から着物発送までの流れ
店頭買取や出張買取では、担当者に着物と身分証明書を提示した後、査定結果に納得すればその場で契約書にサインします。
この際、業者が着物を回収し、売却者は提示額を現金または振込で受け取ります。
一方、宅配買取の場合は、契約成立後に業者が送る宅配キットに着物を詰めて発送します。着物が業者に到着すると専門スタッフが検品・クリーニングを行い、正式査定の工程に移ります。
店頭・出張の場合は契約したその場ですぐに手続きが完了するため、売却者は速やかに買取金を受領します。宅配買取の場合は、着物到着から査定完了まで通常1週間程度かかります。
梱包や輸送の状況、業者の休業日などによって変動しますが、前もって着物をキレイに整えておけば査定もスムーズに進みます。
買取代金の支払い方法とタイミング
買取代金の受取方法は買取形式で異なります。店頭買取や出張買取では査定額に納得すればその場で現金受取が基本です。
宅配買取では、着物到着後の査定完了後に銀行振込で支払われるのが一般的で、振込完了までに通常は約1週間かかります。
ただし大手業者の中には、査定完了の連絡後に即日振込にも対応するところもあります。
買取方法 | 支払い形態 |
---|---|
店頭買取・出張買取 | 査定当日にその場で現金受取 |
宅配買取 | 査定後、銀行振込(約1週間程度) |
表からもわかるように、店頭や出張買取ではその日のうちに現金を受け取ることが可能ですが、宅配買取は査定完了まで時間がかかる点に留意が必要です。
一般に振込手数料は業者負担のところが多いですが、買取金を速やかに受け取るためには事前に口座情報の登録が必要です。
売買契約後のキャンセル(クーリングオフ)
訪問買取や郵送買取など非対面契約では、クーリングオフ制度が利用できます。
契約書類を受け取った日から数えて8日以内であれば、契約を取り消して着物の返却・代金の返金を求めることができます。
着物買取契約書を受領した日を基準とし、8日以内ならば口頭・電話・メールでもキャンセルが可能ですので、難しいと感じたらこの制度を活用しましょう。
クーリングオフを適用する場合、着物の返送料が自己負担となることが多いので注意が必要です。
契約前に「着物返送時の送料負担」などを確認しておくと安心です。また、契約後でも何か不具合を感じたらすぐ業者に連絡し、記録を残しておくとトラブルの抑止につながります。
買取した着物、その後はどうなる?
買い取られた着物は、業者の販売ルートに沿ってさまざまな形で流通します。
多くは着物専門店やリサイクルショップでクリーニング・仕上げされ、新たな持ち主に販売されます。
また、ネットオークションやフリマアプリで個人向けに取引される場合も多いです。
近年では着物レンタルサービスや海外需要が増え、一部は海外の購入者や着物レンタル業者に渡っています。
ダメージや汚れが目立つ着物は布地として再利用され、バッグや洋服素材に生まれ変わることもあります。
古着屋・リサイクルショップで再販
着物専門の古着屋やリサイクルショップは大手買取業者から大量の在庫を仕入れており、質の良い正絹着物はここで再販されます。
これらの店舗では着物を丁寧に検品・クリーニングし、新たな購入者に提供します。
たとえ状態がやや劣る着物でも、同じ着物がまとめて仕入れられることから、古着屋経由で一着ずつ販売される場合があります。
作家物やブランド品であれば高額で取引されることもあります。
なお、リサイクルショップでは在庫切れにならないよう、業者は定期的に古着屋へまとめて卸売りします。
その後、ショップ側でサイズ調整やリメイクを施して再販売することが多いです。
このように、着物は中古市場において新しい着用者に受け継がれていきます。
オークション・フリマアプリでの流通
買取業者が保有する着物の一部は、ネットオークションやフリマアプリで販売されます。
在庫過多の着物やニッチな柄は、オンラインで個人に向けて出品されることが多いです。
個人間の取引となるため査定額より高く売れる場合もあり、特に希少性の高い着物や帯はオークションで高値がつくことがあります。
オークションやフリマでは購入者が細かい状態を確認できるため、一般店では敬遠されるような着物でも個性的な需要が生まれています。買取業者自身が不要品を販売することもありますし、自分でSNSやアプリを使って二次流通に挑戦する人も増えています。
レンタル業者や海外市場での活用
和服レンタル市場や海外での和装人気の高まりにより、売られた着物の中にはレンタル用として流れることがあります。
旅行者向けの着物レンタル店や結婚式場提携のレンタル業者が、買い取られた着物を活用することがあります。
さらに、着物文化に興味を持つ海外バイヤー向けに輸出されるケースも増えています。
海外では和服の需要が高まっており、日本を訪れない現地の和装愛好家にも販売されます。
業者は海外市場の傾向を調査し、帯や小物と合わせて着物を輸出したり、輸出業者を通じて海外オークションに出品したりしています。
たとえ日本国内であまり使われなくても、海外の市場では貴重品になる着物も少なくありません。
布地としてのリメイク・再利用
汚れや傷が目立つ着物は、そのまま再販が難しい場合がありますが、正絹の布地や模様は価値があります。
そうした着物は解いて布地として販売され、バッグや洋服、帯留めといった小物にリメイクされます。
素材としての需要もあり、ハンドメイド作家や工芸作家が着物地を購入し、新たな作品に生まれ変わらせることがあります。
また、古着屋以外に布地屋に売られるケースもあります。これらはインテリアファブリックや和風カーテン、クッションカバーなどの生地として活用されます。
買取後の着物は捨てられることなく、多くの場合次の用途が見つかります。
安心して着物を売るためのポイント
着物を安心して売却するためには、事前の準備と業者選びが重要です。
まず開始するなら、複数の買取業者に査定依頼して相場を把握することが基本です。
また、査定前に軽くホコリを払ったりシワを伸ばしたりしておくと印象が良くなり、査定額アップに繋がることがあります。
証紙や購入証明書がある場合は査定士に見せると、より適正に評価されやすくなります。
以下では、トラブルを避けつつ高く売るための具体的なポイントを解説します。
複数社に査定依頼して相場を確認
同じ着物でも業者によって査定額は異なるため、複数社に査定を依頼し比較することをおすすめします。
2~3社程度に相見積もりを取ることで相場感がつかめ、納得のいく価格で売却できます。
車の査定と同様、3~4社程度が目安とされ、無料の一括査定サービスを利用すると手間を省けます。
査定は基本的に無料で、キャンセル料もかからないケースがほとんどです。査定額に納得できなければ、断る勇気を持ちましょう。
比較することで業者間の価格競争が生じ、交渉しやすくなるメリットもあります。
信頼できる業者を選ぶ
着物を査定する際は、着物専門の買取業者を選びましょう。古物商許可を取得している着物専門店や、実績・口コミで評価の高い老舗業者がおすすめです。
出張査定を依頼する場合は、査定員の服装が清潔か、社員証や許可証の提示があるかなどを確認し、不安を覚えたら他社の利用も検討しましょう。
悪質業者には注意が必要です。常識とかけ離れた高額査定を提示したり、後で査定額を不当に下げたりする事例があります。
怪しいと感じた業者はインターネットで評判を調べ、口コミや消費者センターの情報も参考にして慎重に判断してください。
査定前に着物を手入れ・準備する
査定前に着物を簡単に手入れしておくと査定額が上がりやすいです。ホコリ取りや軽いアイロンがけで見栄えが良くなりますし、汗染みや食べこぼしなど目立つ汚れがあればクリーニングに出しておくと高評価につながります。
帯や小物がある場合はまとめて査定に出し、購入時の証紙や領収書があれば一緒に提示すると信頼性が増します。
小さなシミや当て布、軽微な破れ程度であれば査定額に大きく響かないことが多いですが、大きな損傷があると査定額が下がります。
査定時は複数社を利用し、納得できないことは無理に売らないことが大切です。
宅配買取なら査定後キャンセルできる場合が多いので、安心して査定に出せます。
クーリングオフ制度で安心
前述の通り、訪問買取や宅配買取にはクーリングオフ制度が適用されます。
契約書を受領した日から8日以内であれば、契約を取り消して着物を返却してもらうことができます。
売却後に条件を見直したい場合や、契約内容に不安があるときは、この制度を活用して契約を白紙に戻すことが可能です。
ただし、クーリングオフ利用時は返送する着物の送料が自己負担となる場合があります。
契約前に返却方法や送料負担の有無を確認しておくと安心です。
不安な点は契約前に質問し、納得した上で着物を手放すようにしましょう。
まとめ
着物買取のその後について解説しました。
基本的には契約成立後、店頭や出張ならその場で現金受け取り、宅配なら査定完了後約1週間ほどで銀行振込が一般的です。
買取された着物は専門店やオークション、海外といった多様なルートで再利用されるので、身の回りで不要になった着物も捨てずに活用されます。
売却前には複数の業者で査定し、業者選びと査定額に注意することで、安心かつ納得できる取引を実現してください。
いかなる場合も、事前の情報収集と冷静な判断が重要です。取引に不安があれば事前に質問し、必要があればクーリングオフも視野に入れましょう。
着物をできる限り良い状態に整えておけば、次の持ち主へ喜ばれる形で引き継がれます。