夏の結婚式二次会に浴衣で出席しようかな?と思ったときに気になるのが服装マナーです。実際には最近、二次会のドレスコードに「浴衣」を指定するカップルも増えつつあり、夏らしい和装スタイルが人気を集めています。しかし浴衣は本来フォーマルな装いではないため、正しいマナーで着こなすことが大切です。
本記事では2025年最新のトレンドを踏まえ、結婚式二次会での浴衣の着こなし方・服装マナーや、ほかの装いとの違いを、幅広い年代の方にも分かりやすく解説します。
目次
結婚式二次会に浴衣を着てもいいの?
結婚式の披露宴は厳粛なセレモニーが中心でドレスコードもフォーマルですが、二次会は友人・同僚中心で行われることが多く、比較的カジュアルです。そのためタイトなパーティドレスからカジュアルなワンピースまで許容範囲は広いものの、だからといって普段着すぎる服装は避けたいところです。
一方で浴衣は夏のお風呂上りや花火大会などをイメージさせる軽装であり、伝統的には正装に含まれません。とはいえ近年は浴衣のデザイン性が高まり、祭りだけでなく街歩きで着る人も増えています。結婚式二次会で浴衣を着るかはTPO(Time, Place, Occasion)を踏まえる必要があります。
たとえば新郎新婦が二次会の衣装に浴衣を取り入れていたり、会場がビーチサイドやガーデンウェディングのようなカジュアルな雰囲気だったりする場合は浴衣もOKなケースがあります。しかし特に指定がない場合、浴衣で参加すると浮いてしまうのではないかと感じる年長者や格式を重んじるゲストも少なくありません。まずは新郎新婦や幹事に「浴衣でもよいか」を確認し、了承があれば安心して着用しましょう。
披露宴と二次会の服装マナー
披露宴では和装なら留袖や色留袖、振袖などが正礼装にあたります。二次会ではこれほど格式ばる必要はありませんが、それでもある程度のおしゃれ感は求められます。具体的にはセミフォーマルからスマートカジュアル程度が目安で、ジャケットやワンピースを着用して参加する女性が多いです。
二次会がホテルや高級レストランであればフォーマル寄り、居酒屋やビーチならもう少しラフな装いでも許されることが多いでしょう。ただしいずれの場合も、新郎新婦より目立たないようにという意識は大切です。浴衣にする場合もドレスコードや会場の雰囲気を考慮しつつ、品位を損なわないよう注意しましょう。
浴衣のフォーマル度と歴史
浴衣はもともと入浴後に羽織る肌着の一種で、庶民の浴衣文化は江戸時代に始まると言われます。そのため伝統的には「フォーマルではない」「浴衣は正装ではない」とされています。実際、正式な結婚式(洋装ならタキシードやウエディングドレス、和装なら黒留袖や色留袖など)とは格が異なります。
近年は伝統的な浴衣にとらわれず、デザイン性の高い素材や柄の浴衣も増加しました。ショップや百貨店でも外出着として着られる浴衣セットが販売されています。しかし着物の専門家から見ると、やはり婚礼の正式な場で浴衣を着るのは非常識だと感じる人もいるため、場の雰囲気を壊さないように注意が必要です。
新郎新婦の意向を確認しよう
浴衣を着ようか迷ったら、まずは新郎新婦に相談するのがベストです。最近では「二次会だけ浴衣で」というドレスコードを設定するカップルもあります。もし案内状や参加連絡で浴衣OKと明示されていれば、堂々と浴衣で参加できます。
一方、何も触れられていないのに浴衣を着てしまうと、新郎新婦や他のゲストに余計な配慮を強いる場合もあります。特に新婦の色である白や純白系の浴衣は新婦と被るためNGです。また浴衣姿が珍しいゲストに注目が集まりすぎて、新婦の気持ちを害する可能性もあります。浴衣を着る場合は、周囲との調和や新郎新婦への敬意を忘れず、事前確認を徹底しましょう。
結婚式二次会向けの浴衣コーディネート

浴衣は涼しげで華やかな和装なので、暑い季節のパーティーにぴったりです。結婚式二次会で着るなら、あまりカジュアルになりすぎず、上品さを保つコーディネートが求められます。たとえば淡い色や落ち着いた柄の浴衣に、華やかな帯や帯飾りを合わせて格調高い印象にするのがおすすめです。
ここでは、色柄選びから帯・小物選び、髪型や足元のポイントまで、浴衣をおしゃれに着こなすためのコーディネート術を紹介します。
色・柄選びのポイント
浴衣を選ぶときの基本は、会場の雰囲気や季節に合わせることです。夏なら涼しげなブルーやグレー、アイボリーなどが人気です。白や純白は花嫁と被る恐れがあるため避けましょう。赤やピンクのような華やかな色も着映えしますが、柄が派手すぎると目立ちすぎるので注意が必要です。
また、伝統的に浴衣は縦縞や大柄の花柄が涼感を演出します。光沢のあるサテンのような素材よりも、綿麻や夏紬(つむぎ)など少しマットな素材のほうが上品に見えます。ロングヘアには大柄の帯結び、中くらいの髪型には中柄の浴衣を選ぶとバランスが取りやすいです。
色柄選びでは、新婦が「振袖」を着る場合は特に配慮が必要です。振袖と浴衣はともに華やかな印象を与えるので、似た雰囲気になる柄や色は避けておきましょう。ゲスト同士で色が被らないように、なるべくレンタルや他の友人と相談して着る柄を調整するのもお互いに親切です。
帯と小物で華やかさをプラス
浴衣を華やかに見せるためには帯や帯締め、帯飾りが重要です。通常の浴衣帯は半幅帯ですが、結婚式二次会では幅広の作り帯や変わり結びでボリュームを出すとお祝い感が増します。例えば蝶結びではなく、華やかな文庫結びや飾り結びにするとフォーマル感がアップします。
帯の色は帯留めや帯飾りでワンポイントを加えるとおしゃれです。パールやビーズを使った帯飾り、華奢な帯締めなど、上品な装飾を選びましょう。バッグも小さな和装用のかごバッグや巾着、フォーマルなクラッチバッグなどを組み合わせると統一感が出ます。
また浴衣用の下駄よりもフォーマル感を演出したい場合は、ワンポイント柄の半衿をつけた長襦袢を着て夏着物風にする方法もあります。これに小物で華やかさを加えれば、浴衣できちんとした装いに近づきます。ただし着崩れに注意して、自信のない方はレンタル着付けを利用すると安心です。
ヘアスタイルとメイクの工夫
浴衣姿にはアップヘアが基本です。首筋をきれいに見せることで浴衣の涼しさが引き立ちます。夜の二次会なら、少し動きのあるまとめ髪や花をあしらったヘアアレンジで華やかさを添えると良いでしょう。髪飾りは浴衣の柄に合わせた花飾りやかんざし、現代的な組紐のヘッドアクセなどがおすすめです。
メイクは普段よりもやや華やかに。アイラインや赤リップで目元・口元にアクセントを置くと、写真映えもします。ただし極端に派手なメイクは浮いて見えることがあるので、自然な美しさを活かす程度に仕上げましょう。肌は夏向けに涼しげに整えつつ、チークで血色よく演出するのがポイントです。
草履・下駄とバッグの選び方
浴衣に合わせる履物は、伝統的には白木調の下駄か黒塗りの草履が一般的です。足袋を履くのが礼儀とされる場面もありますが、二次会のカジュアルさを考慮して素足またはくるぶし丈のソックスに、鼻緒のしっかりした草履を合わせても問題ありません。履物の色は浴衣や帯とコーディネートして、全体の統一感を大切にしましょう。おしゃれな大胆な色使いも素敵ですが、清潔感を損なわないように汚れやキズがないものを選びます。
バッグは小さめの手提げや巾着が浴衣姿にマッチします。クラッチ型のドレスバッグを和装に合わせる方もいますが、浴衣の場合はあまりビジューや豪華な装飾がついていないシンプルなものが上品です。袱紗(ふくさ)に包んでおけばご祝儀もさっと持ち運べます。
浴衣と他の装いの違い:二次会での服装選び
結婚式二次会に招待された場合、浴衣のほかにもワンピースや色留袖、訪問着など選択肢は多くあります。それぞれの服装が持つ格式や雰囲気を比較し、TPOに合った着こなしを選びましょう。浴衣はカジュアルなのに対して、訪問着や振袖はフォーマル度が高い正礼装です。一方でワンピースやドレスは洋装ですが二次会に適したセミフォーマルな格付けになります。
次に表で浴衣と代表的な和装・洋装の特徴をまとめました。会場や季節、主催者の意向を参考に、自分にふさわしい服装を選ぶヒントにしてください。
| 服装 | 格式 | 特徴・適した場面 |
|---|---|---|
| 浴衣 | カジュアル | 夏向きの涼しげな和装。花火大会や夏祭り向けだが、指定があれば二次会も可 |
| 訪問着・振袖 | フォーマル | 華やかで格式高い和装。披露宴や格式高い二次会に適する |
| ワンピース・ドレス | セミフォーマル | 洋装なら二次会で一般的。色や柄が豊富でドレッシーさが出せる |
浴衣 vs 訪問着・振袖:フォーマル度と印象
浴衣は軽装かつカジュアルなので、格式を求められる結婚式の場では本来不向きとされています。訪問着や振袖は柄や素材が華やかで、婚礼にふさわしい正礼装です。二次会のようなカジュアルな場では「浴衣でもいいよ」というカップルも増えていますが、ゲスト側としては浴衣を選ぶならやはり夏限定、カジュアルな会場、テーマウェディングなど条件を満たしていることが重要です。
もし浴衣ではなく訪問着・振袖を選ぶ余裕があれば、新婦より目立たない色柄かつ自身も動きやすい装いを。若い未婚女性なら華やかな振袖もOKですが、ゲストなら袖丈の短い中振袖や小振袖を選ぶと節度が守れます。訪問着は落ち着いた中にも華やかさがあるので、上品にドレスアップしたい方におすすめです。
浴衣 vs ドレス・ワンピース:着心地と装い
ワンピースやドレスは丈やシルエット、色柄のバリエーションが豊富で、二次会の定番スタイルです。浴衣は帯を締めて足さばきが少し制限される一方、ドレスは足元が動かしやすいというメリットがあります。涼しさの面では浴衣が有利ですが、エアコンの効いた室内ならワンピースでも快適です。歩き回ったりダンスをする場合は、裾の短めなワンピースや動きやすいパンツスタイルにするか、浴衣の場合ははだけないようしっかり帯を結ぶなど工夫しましょう。
ドレスの場合はヒールの高さにも注意が必要です。華やかに見せたい気持ちもわかりますが、長時間歩くことになる二次会では5~7cm程度の実用的な高さがおすすめです。浴衣に合わせて下駄を履くなら、草履よりも足元が安定する鼻緒タイプを選ぶと安全です。
TPOを踏まえた服装選びのコツ
最終的には会場の格式や新郎新婦の希望を最優先に考えましょう。招待状やウェブサイトでドレスコードが示されていれば、それに従うのがマナーです。たとえば「夏らしく浴衣でお越しください」と指定されていれば、迷わず浴衣を準備します。指定が無い場合は、カジュアルなビーチパーティーなら浴衣でも浮かない可能性がありますが、ホテルやチャペルでの会場ならドレスや着物を選ぶほうが無難です。
また、二次会に限らずゲスト同士で相談し合うのも手です。友人同士で相談して同系色のドレスにまとめたり、浴衣を着るならみんなで揃えるなどすると、写真映えにもなり雰囲気も合います。TPOをわきまえた上で、おしゃれも楽しみつつ新郎新婦に祝福の気持ちが伝わる装いを心がけましょう。
浴衣で結婚式二次会に着るときのマナー・注意点
浴衣で二次会に出席する際は、新婦よりも目立たないよう配慮するのがマナーです。淡い色やワンポイント柄の浴衣なら落ち着いた印象になります。また、夏感を出すためにノースリーブにしたいところですが、あまり露出を多くするのは控えましょう。素肌が見えすぎないように半襟をつけたり、羽織ものを用意するのがおすすめです。
足元は草履や下駄に加え、浴衣用の足袋や白いソックスを合わせます。女性ならストッキングはベージュを選ぶのが無難です。アクセサリーはシンプルに。浴衣の魅力を引き立てるには、シックな帯留めやパールの小物で上品にまとめるとよいでしょう。
- 白や白に近い色は避ける(花嫁とかぶるため)
- 派手すぎる大柄・極端に明るい色は控える
- 多すぎる露出(肩出し・長いスリットなど)はNG
浴衣は動きづらい分、着崩れしやすい点も注意です。二次会では友人とはしゃぐ場面もありますので、崩れてもすぐ直せるようにしておくと安心です。帯の中に帯板や帯枕を入れて立体感を安定させたり、和装用の補正具で胸元を固定するなど、着崩れ対策をしましょう。座るときは裾を持ち上げ、背筋を伸ばして浅めに腰掛けると、美しい姿勢でいられます。これらの工夫で、浴衣姿を最後まできれいに保ちましょう。
浴衣の着付けと便利アイテム
浴衣は比較的簡単に着付けできますが、着付けに不慣れな場合は事前準備がポイントです。粋な浴衣からフォーマル寄りの浴衣まで、着物レンタルや購入時にはサイズ感が合っているか、色柄が季節に合うかなどを確認しましょう。注文時に自分の身長やヒップサイズを入力し、ぴったりのものを選ぶと安心です。
浴衣をきれいに着るために使いたい便利アイテムとして、肌着(スリップや和装ブラジャー)、補正用のガーゼやタオル、腰紐、帯板、帯枕などがあります。夏は涼しい素材を重ね着しますが、必要以上に重ねると暑くて着崩れにつながるので注意します。
着付け手順の基本は、まず腰紐で浴衣の衿元を調整し、無料の帯(作り帯)なら巻くだけ、半幅帯なら好みの結び方で締めます。着崩れ予防に帯紐はしっかり結び、帯板を帯の間に入れると後ろ姿もすっきりします。ヘアセットも着付け直後に済ませておくと安心です。
浴衣はレンタルでも購入でも選択できます。レンタルは現地でプロに着せてくれるサービスもあり、手軽に本格的な着付けができます。購入するなら夏以外にも浴衣を着る予定がある場合や、長く大事に使いたい場合に向いています。また、ワンシーズンだけなら浴衣セットの購入やレンタル、浴衣の販売サイトも充実しています。草履や下駄を選ぶ際は、鼻緒が指に優しく、歩きやすいものを選びましょう。
まとめ
結婚式の二次会では披露宴ほど堅苦しくはないものの、一定のマナーを守ることが大切です。浴衣は夏にぴったりでおしゃれな選択肢ですが、正式な和装ではないため、着用するなら事前に新郎新婦に許可を得るのが安心です。二次会の会場やドレスコードを踏まえ、白は避けて控えめな色柄を選ぶ、華やかな帯や小物で上品に仕上げることを意識しましょう。
浴衣を上手に着こなせば、涼やかで軽やかな姿が二次会に新鮮な風を吹き込みます。夏ならではの和装スタイルで、周囲になじみつつ華やかにお祝いの気持ちを表現してください。正しいマナーを守りながら、2025年の最新トレンドも取り入れて、結婚式二次会の浴衣ファッションを楽しみましょう。