結婚式などのフォーマルなお祝いの席で留袖を着用する際、一般的には髪をアップスタイルにまとめることが格式とされています。
しかし、最近ではショートやボブヘアの方に加えてあえて髪を下ろすスタイルを選ぶ人も増えてきました。
アップしない髪型の場合、きちんと感を保つためにいくつか工夫が必要です。例えば、顔周りと襟足をすっきり見せ、髪にまとまりと艶を与えることは自然なダウンスタイルを上品に仕上げるポイントです。
以下で髪の長さ別のアレンジ例や髪飾りの選び方、アップスタイルとの比較など具体的に解説します。
目次
留袖に合うアップしない髪型のポイント
清潔感を演出する基本
留袖着用時は顔周りの印象が重要です。髪を下ろす場合は、前髪やサイドの髪が顔にかからないようセットし、肌を見せることで清潔感を出しましょう。
また、襟足が重くならないように整えることも大切です。髪の後ろ側をすっきりさせれば、着物の美しい襟元が引き立ち、全体の品格につながります。
前髪やツヤで印象を整える
髪に艶やまとまりを出すのもポイントです。ドライヤーやヘアアイロンで毛先を内巻きにしたり、軽いウェーブをつけたりして全体を整えます。最後にワックスやクリームで仕上げると、髪全体がまとまりつつ輝きが増し、よりフォーマルな印象になります。
ダウンスタイルでは重心が下がりやすいので、トップや顔まわりにボリュームを出すとバランスが取りやすいです。例えば、トップに軽く逆毛を立てたり、サイドに片寄せピンで留めたりすると目線が上がり、全体が引き締まった印象になります。
アップしない髪型で留袖を着こなすコツ

編み込みやウェーブで動きを出す
下ろした髪に編み込みや軽いウェーブを加えると、立体感が出て華やかさがアップします。
髪全体に動きが出ることで、ロングヘアやミディアムヘアでも単調にならず留袖を引き立てます。
前髪アレンジで雰囲気チェンジ
前髪のありなしでも印象が変わります。額を出すと顔立ちがシャープに見え、前髪をふんわり作るとやわらかな印象になります。
丸顔の方は斜め分け、面長の方は額を少し隠すなど、顔型に合わせた前髪作りが大切です。
髪の長さ別:留袖×ダウンスタイルのアレンジ
ショート・ボブヘアのアレンジ
ショートヘアやボブはアップにしにくいため、内巻きで毛先をまとめて落ち着いた印象に仕上げます。顔周りに少しボリュームを持たせ、片側をピンで留めると顔がすっきり見えるうえフォーマル感が増します。髪飾りを使う場合は、小さめのパールやシンプルなかんざしなど控えめなものを選び、全体を整えましょう。
ミディアムヘアのアレンジ
ミディアムヘアは長さがあるので、毛先に軽いウェーブをつければやわらかな印象になります。顔周りはすっきりさせつつサイドにボリュームを出し、全体のシルエットをコンパクトに整えましょう。
ロングヘアのアレンジ
ロングヘアの場合は、髪が背中や帯にかからないようにサイドや前に流すのがおすすめです。片側に髪を寄せておろしてまとめたり、毛先全体にウェーブをつけて華やかさを出したりすると、長さを活かした美しい仕上がりになります。
留袖用アップしないヘアアレンジのメリットと注意点
ダウンスタイルの魅力
髪を下ろしたままのスタイルには、リラックスした自然な雰囲気と近年のトレンドがあります。アップにしないことで長時間の着用時にも髪への負担が少なく、動きやすさや快適さがメリットです。また、個性を活かせるので自分らしさを演出できます。
留袖にふさわしいマナーと注意点
とはいえ留袖は格式高い装いです。髪型が雑だったり崩れていたりするとフォーマル感が損なわれます。髪飾りは小さめで上品なものを選び、派手すぎるデザインやカジュアルすぎる素材は避けましょう。質感の良いパールや金属製のシンプルな飾りを使って控えめに華やかさをプラスします。
季節・場所を考慮した髪型選び
汗をかきやすい夏や屋外の式では、髪が崩れにくいようあらかじめ対策しましょう。例えば、半分まとめ髪やしっかり整髪料で固めると安心です。一方、寒い季節には髪を下ろすことで首元が暖かく感じ、ドレスコードとも調和します。会場の雰囲気や気候を考えて適切な髪型を選びましょう。
ヘアアクセサリーで華やかに:留袖×ダウンスタイル
小さく上品な髪飾りの選び方
髪飾りは留袖の格に合わせ、小さめで上品なデザインを選びましょう。以下のポイントを参考にしてみてください。
- パールやクリスタルなど光沢のある素材を使う
- 大きすぎる花飾りやキャラクターものは避ける
- 布製の派手な花ではなく、落ち着いたデザインに
飾りの位置とバランス
ダウンスタイルでは飾りの配置も重要です。髪全体に点在させるよりも、耳の上やサイドなど片側に寄せて留めたほうがすっきり見えます。たとえば、髪を片方にまとめたら、反対側のサイドに小さめのかんざしを添えるだけで控えめな華やかさが出せます。
アップスタイルとの違い:留袖髪型の比較ポイント
アップヘアとダウンスタイルの比較
下表に、留袖に合わせたアップスタイルとダウンスタイルの違いをまとめました。どちらもポイントを押さえれば上品に決まりますが、動きやすさやTPOによって使い分けるとよいでしょう。
| 比較項目 | アップスタイル | ダウンスタイル(アップしない) |
|---|---|---|
| フォーマル度 | 最もフォーマル。襟元がすっきり見える | 整えていればフォーマルに見えるが、自然な印象 |
| 動きやすさ・快適さ | 着崩れしにくいが重いことも | 軽やかで動きやすく疲れにくい |
| 髪への負担 | しっかり固定するため長時間だと疲れやすい | 下ろすので負担が少なく快適 |
| 飾りの効果 | 大きめの髪飾りで華やかさをプラスできる | シンプルな飾りで控えめに上品さを添える |
まとめ
留袖における髪型は本来アップが正式ですが、髪をアップしなくても適切に整えれば十分上品に着こなせます。清潔感を出し、顔まわりをすっきりまとめ、艶をキープすることがポイントです。髪の長さに合わせたアレンジや髪飾りを活用すれば、ダウンスタイルでも留袖にふさわしい品格を保てます。これらのポイントを押さえて、自信をもって着こなしましょう。