成人式では、晴れ着である振袖を着る新成人が多い中、
女性があえて袴姿で参加するケースも少数ながら見られます。しかし一部には「袴は男性のもの」「成人式で女性が袴はおかしい」という声も聞かれます。この記事では、2025年時点の最新事情を踏まえ、成人式における袴姿のメリット・デメリットや周囲の反応を徹底解説。自分らしい装い選びの参考にしてください。
目次
成人式で袴姿の女はおかしい?
成人式当日は新成人が各自の晴れ着を着こなしますが、服装に厳密なルールはありません。一般的に未婚女性の第一礼装とされるのは振袖ですが、成人式に洋装(ドレスやスーツ)で来る人も増えており、袴で出席しても違和感は特にありません。近年は衣装レンタルが多様化し、「振袖以外を選ぶのも自由」という価値観が広がっています。
成人式での自由度と服装マナー
成人式には特別なドレスコードは存在せず、洋装・和装問わず振る舞い良くあれば問題ありません。男性は袴やスーツ、女性は振袖のほか二尺袖やドレスで参加するケースもあります。ただし、案内状や地域の慣習では振袖が推奨されることが多く、「華やかな晴れ着」というイメージが根強いのも事実です。そうした背景から、伝統的には振袖が主流と見なされています。
袴姿の女性はどれくらいいる?実際の割合
成人式会場で袴を着た女性はまだ少数派です。参加者の声では「会場に1~2人ほど見かけた」「同級生に数人いた」という程度で、多くは振袖姿です。全くいないわけではなく、それだけ目立つ存在になることも覚悟しておきましょう。実態としては袴の女性はごくわずかですが、決して珍しいことではなく、会場で完全に浮くことは稀です。
自分らしさを尊重する選択
最終的には、新成人本人が晴れやかな気持ちで過ごせる服装を選ぶことが大切です。成人式は人生に一度の門出の場なので、他人の意見よりも自分の好みや快適さを優先しましょう。実際、「成人式さえ楽しめればいい」という意見もあり、何を着るかより式に参加して大人の節目を実感することが重視されています。このように個性や実用性を尊重し、自信を持って袴を選ぶ女性も増えています。
女性の袴姿の歴史と伝統

袴は古くから武士の礼装として用いられてきた衣装で、歴史的には男性が着用する正式な装束でした。江戸時代の時代劇などに登場するような袴は、裾を両足に分ける「馬乗り袴」や、裾が広がる「行灯袴」などがあります。現代では和装の式典や武道(剣道・弓道)でも用いられ、男性礼装のイメージが強い伝統衣装です。
袴の起源:男性の伝統衣装
もともと袴は戦国~江戸時代の武士が着用していたものです。儀礼用の袴には格式があり、足さばきが良い「馬乗り袴」や、裾が提灯のような「行灯袴」など様々な形式が発展しました。現代でも袴は男性の正式礼装として受け継がれ、紋付袴姿は和装の正装とされています。
女学校で始まった女性の袴スタイル
明治時代以降、女子教育が進むと女学校の制服として袴が採用されるようになります。着物だけでは動きにくいため、袴を着ることで通学や実習に適するよう工夫されたのです。この習慣が次第に広まり、卒業式で袴姿の女学生を見る光景が一般化しました。「女袴」という言葉もこの時代から生まれ、女子の式典衣装として袴が定着しました。
現代での袴着用シーン
現代において女性が袴を着る機会は主に卒業式などの学校行事や、教職・華道など特定の場面に限られてきました。成人式で袴を着るケースも徐々に増えていますが、これは完全に新しいことではなく、昭和期からごく一部で行われていた例もあります。伝統的には振袖が成人式でドレスコードとされてきましたが、最近では袴姿の個性的なコーディネートも受け入れられつつあり、徐々に多様化が進んでいます。
成人式における袴の位置づけと現状
成人式は新成人の門出を祝う式典で、地方自治体や団体が主催することが多い行事です。法律上の服装規定はありませんが、「晴れの日」に相応しい正装が期待される場です。ここでは、成人式における袴の位置づけと、参加者の一般的な装いについて見ていきます。
公式なドレスコードはなし:自由な選択
実際のところ、成人式に明文化されたドレスコードは存在しません。男性は袴・スーツ、女性は振袖・二尺袖・洋装など、幅広いスタイルが認められています。ただし、参加者への案内状などでは振袖の着用例が多く挙げられるため、慣習的には振袖が正装と見なされてきました。つまり形式としては袴でも問題ありませんが、伝統的な価値観として振袖中心の意識が根強いのです。
成人式の装いは多様化:袴を選ぶ人も
近年では、衣装レンタルや通販サイトの充実、個性を重んじる流れにより、成人式の装いの選択肢が広がっています。袴を選ぶ女性も徐々に増えており、中には振袖と袴を組み合わせたり、通常卒業式でしか見ないデザインに挑戦したりする人もいます。また、振袖に比べて袴は着付け時間が短く、動きやすいため「成人式当日に楽な装いにしたい」という理由で選ばれる場合もあります。こうして「成人式=振袖のみ」というイメージは徐々に変わりつつあります。
主流は振袖:現状の服装割合
それでも成人式では、現時点では振袖を着る人が圧倒的に多いのが現状です。未婚女性の礼装とされる振袖は、新成人の晴れ着として定番であり、式典会場には色鮮やかな振袖姿の若者が最も目立ちます。他の装いでは、袴姿の女性はごく少数で、スーツやドレスの女性もちらほら見かける程度です。公式な統計は無いものの、多くの地域の成人式で参加者の8割以上が振袖を選ぶ傾向にあります。
袴と振袖のメリット・デメリット比較
成人式の和装では、袴と振袖はそれぞれ異なる特徴があります。以下に両者のメリット・デメリットを整理し、違いを比較してみましょう。
袴のメリット:動きやすさや個性
袴最大のメリットは着付けが比較的簡単で動きやすいことです。裾が広がっているので長時間座っても足を踏まずに済み、着崩れも起こりにくいのが利点です。振袖が多い場で袴姿は周囲の目を引き、個性的な印象を与えることができます。ブーツや半幅帯などで自由にアレンジできるため、自分らしいコーディネートを楽しめる点も魅力です。
帯や小物に工夫を加えればさらに雰囲気が変わります。例えば、
- 半幅帯や革ベルト帯でアレンジする
- 足元は歩きやすいブーツを選ぶ
- ファーショールや飾り毛飾りで華やかさをプラスする
などのアイテムを組み合わせれば、振袖とは異なる新鮮な着こなしが可能です。
袴のデメリット:華やかさの差と制約
一方、袴は振袖と比較すると華やかさにやや欠けるという声もあります。多くの袴は無地やシンプルな柄で落ち着いた印象のものが多く、振袖の豪華な柄には及びません。さらに、袴のデザインやサイズ展開自体が振袖に比べて少なめです。可愛らしい柄や若々しいデザインは限られるため、選択肢が振袖ほど豊富ではありません。また、「袴は卒業式のイメージが強い」と感じる人がいるのも事実で、伝統を重んじる家庭では成人式で袴を選ぶことに抵抗を示される場合もあります。
振袖のメリット:伝統的で華やか
振袖の最大のメリットは、その華やかさとフォーマル感です。長い袖と大柄のデザインは、成人式らしい晴れやかな印象を与えます。また、振袖は伝統的に女性の第一礼装とされてきたため、両親世代からも「礼装としてふさわしい」と評価されやすい服装です。晴れ着として総合的に華やかな装いを演出したい人には、振袖の方が向いています。
振袖のデメリット:コストや着付けの手間
一方、振袖は華やかであるがゆえにコストがかかる点がデメリットです。レンタルでも成人式用振袖は高級なものが多く、レンタル料や仕立て代が袴より高額になります。また、長い袖や複雑な重ね襟などは着付けの手間がかかります。振袖は座ったときに袖元が邪魔にならないよう多めの補正をする必要があり、脱着にも時間がかかるため、慣れていないと着崩れしやすく疲れやすいという声もあります。
費用面での比較
| 袴 | 振袖 | |
|---|---|---|
| 華やかさ | シックで控えめ (柄は少なめ) |
豪華な柄で華やか |
| 動きやすさ | 高い (裾が広がり動きやすい) |
普通 (長い袖で移動がやや大変) |
| 着付け | 比較的簡単 (補正少なめ) |
手間がかかる (補正・時間が多め) |
| 費用 | 比較的安価な場合も (シンプルなデザインが多い) |
高額になりがち (装飾的なデザインが多い) |
袴姿に対する賛否両論
袴姿に対しては肯定的な意見と否定的な意見が入り混じっています。中には「袴は地味で華やかさに欠ける」「服装が卒業式みたい」といった批判めいた声もありますが、他方では「袴姿かっこいい」「個性が出せる」といった賛辞も多く寄せられています。ここでは、両者の意見とその背景について見ていきましょう。
伝統を重んじる意見
伝統的な考えからは、成人式には振袖がふさわしいとする意見が出ます。具体的には「女性が袴だとまるで卒業式みたい」「せっかくの成人式なのに地味」という声です。こうした意見は主に両親世代や保守的な価値観を持つ人から聞かれやすい傾向があります。また、振袖と袴でレンタル費用を節約しているのではないかと勘繰られることを気にする声もあります。この背景には「成人式=振袖で豪華に」という慣習が根底にあると言えるでしょう。
個性を尊重する意見
一方で近年は「自分らしさを優先したい」という意見も多く見られます。服装の多様化をよしとする風潮から、「みんなと同じより個性的な方がいい」「周りの目より自分の満足が大事」と考える若者が増えています。実際、着物店やヘアメイクの業界では袴姿の美しさを提唱する声も増えてきました。振袖と違ったスタイルで写真映えを狙ったり、動きやすさを重視して袴を選ぶ人も多いようです。
親世代や地域の反応
親世代や地域による違いも見られます。成人式の案内状で衣装例に振袖のみが載っている自治体もあり、その場合は親から「振袖を着てほしい」と言われることがあります。一方で、和装の知識がある祖父母世代からは「袴でもいい」と理解を得られる場合もあります。地域独自の風習や家族の価値観次第で、袴に対する反応は異なります。
袴を選ぶ際のポイントと注意点
袴を選ぶ際にはいくつかのポイントを押さえておくと安心です。以下では袴コーディネートのコツや、予約・着付けの注意点を紹介します。
デザイン・色柄の選び方
袴は色柄で印象が大きく変わります。無地や細かい柄が入ったものは落ち着いた印象になり、太めの縞模様や刺繍入りは華やかな雰囲気になります。自身のパーソナルカラーや肌映り、会場の雰囲気に合わせて選びましょう。また、一目で袴とわかるデザインより、控えめで飽きのこない柄のほうが成人式にマッチしやすいです。黄色やオレンジのような明るい色は視線を集める一方、上品なグレーや紺色などを基調にすると落ち着いた印象になります。
帯や足元、小物とのコーディネート
袴の雰囲気は、帯や小物で自由にアレンジできます。例えば、
- 半幅帯や革ベルト帯を組み合わせて少しカジュアルに
- 足元は歩きやすいブーツを選び、振袖とは違う足元の印象に
- 飾り毛飾りやファーショールを取り入れて華やかさをプラス
などを試してみましょう。ただし、帯結びや小物が派手過ぎると成人式の格式に合わなくなることもあります。コーディネート全体のバランスに気を配りつつ、自分らしいアクセントを加えてください。
早めの予約と試着の重要性
袴は振袖に比べて種類が少ないため、特にレンタル利用の場合は早めの予約が欠かせません。人気の色柄やブランドは成人式シーズンまでにすぐ埋まってしまいます。予約の際はセット内容をよく確認し、補正具(腰紐・重ね襟・衿芯・小物など)が全てそろっているかを確認しましょう。試着で袴丈や全体のバランスを確かめることも重要です。写真映えや動きやすさを確認し、必要に応じて丈調整や補正具の追加を検討しましょう。
快適性を考えた着こなし
成人式当日の快適さも大切です。袴は動きやすいですが、草履で歩き回ると足が疲れやすいのでブーツ履用がおすすめです。また、着付け時は締め付け過ぎないようにし、苦しくない程度に補正してください。防寒対策も忘れずに。式が冬場であれば帯揚げやショールで首元を隠したり、羽織やコートで着脱しやすい上着を用意して、足元にはレッグウォーマーやタイツを合わせるなど、冷え対策を考えましょう。
まとめ
成人式で女性が袴を着ることはマナー上おかしなことではありません。近年は個性や実用性を重視して袴を選ぶ新成人も増えていますが、依然として振袖姿が多数派であることには変わりありません。周囲からの意見は分かれますが、最終的には自分が一番納得できる装いを選ぶことが大切です。袴には動きやすさや着付けの手軽さといったメリットがあり、伝統柄の着物や小物使いで華やかさを加えることもできます。一生に一度の成人式ですから、伝統を重んじつつ自分らしく晴れやかな服装を見つけてください。